4つの軸でとらえるビジネススキルの構造

仕事をしたり、勉強をしたりする中でこんな悩みを持つことはないでしょうか?

  • 「仕事が何となくうまくいっていないけど、何が悪いのかわからない」
  • 「スキルアップしていきたいけど、何から始めて良いかわからない」
  • 「色々と勉強はしているつもりだけど、成長している実感がない」

目の前のことに真剣に取り組んでいればいるほど、
自分の現在の立ち位置が見えなくなり不安に思うこともあると思います。

そんな人には次のことがオススメです。

自分の仕事やスキル・知識を構造的にまとめてみる

仕事やスキル・知識を自分なりにまとめてみることで、
自分がどんな能力を身につけているのか、逆に何が足りないのか、
全体を広い視点で見ることができます。

このページでは、ビジネススキルの構造について、
私なりの解釈で説明します。

私も日々の仕事に追われながら、勉強などもしていたつもりなのですが、
イマイチ成長している実感が持てませんでした。

そんな中で、思いついたのが上記の図です。
これを描くことで、自分の強み自分に足りないことがハッキリ見えてきました。

ちなみに、この図は4つの軸から構成されています。

  1. 仕事の構造を理解する(Input→Process→Output)
  2. ビジネススキルの3要素を育てる(問題解決・タスク管理・コミュニケーション)
  3. 前提としての価値観とコンディションの重要性を認識する
  4. ビジネススキルを向上させる環境整備をする(基礎力・勉強法・ツール)

上の図は全体を自動車メーカーに見立てていますが、それを例にすると、
①製品(Output)のために、どんな材料を購入して(Input)、どんな機能(Process)が必要か、
②主要部門である開発・製造・本社(企画/調達/営業)が機能を果たすように強化する
③前提として、経営理念や企業風土、従業員の健康は問題ないか
④上記が機能するように、従業員の基礎力、スタッフ部門の人事やIT部門を整備しておく
などを総合的に管理することが大切だということになります。

これから私の考えるビジネススキルの全体像を示し、それぞれの内容の解説をしていきます。

仕事の構造を理解する(Input→Process→Output)

ビジネススキルを成長させるときに、まずはターゲットとなる仕事を分析します。
自分の仕事がどんな構造をしていて、どんなスキルが必要なのかを考えましょう。

すべての仕事は基本的に「Input→Process→Output」で表すことができます。

それぞれについて簡単に定義すると、以下の通りです。
①Inputは「仕事に用いる材料・知識/情報などのリソース、およびその入手手段」
②Processは「InputからOutputを生み出す過程、およびそれを構成する行動」
③Outputは「仕事の成果、およびそれを相手に提供すること」

例えば、営業職なら
① Input:販売する商品や顧客の情報、周辺知識・雑談ネタを学ぶ
② Process:営業トークや営業ルートを考える、アポイントをとって営業にいく
③ Output:顧客に商品を販売する

例えば、YouTuberなら
① Input:動画の企画を考える、材料を集める、出演者の手配をする
② Process:動画を収録する、動画を編集する
③ Output:完成した動画を視聴者に見てもらう

人によって、Input・Process・Outputとして捉える内容は違うかもしれません。
ただここで重要なのは、

自分の仕事のOutputを自分なりに定義し、
それを生み出すためのInputとProcessについて考えること

成果としてOutputが仕事の価値を生むので、まずはOutputを中心に考えます。
次にOutputのために必要なInputとProcessは何なのかを分析していきます。

こうして自分の仕事の構造について理解することで、
自分がそれらにどうやって対処すべきか考えていくことができます。

ビジネススキルの3要素を育てる

仕事の構造を理解した後には、それぞれに対処する力を育てることになります。

先ほどの営業職の例でいうなら
①商品や顧客情報をWebや関係者から得る力、普段からの話のネタ・教養
②効率的な営業トークなどの企画力、アポイントの交渉力、スケジュール管理能力
③顧客に対するプレゼンテーション能力
などが、必要な力として挙げられます。

必要な力=ビジネススキルは色々ありますが、大きく3つの要素に分類できます。

・仕事で付加価値を出す方法を考える「問題解決」スキル
・付加価値を出す方法を実行する「タスク管理」スキル
・仕事を他者との関係で行う「コミュニケーション」スキル

自分の根幹としての「問題解決」スキルと「タスク管理」スキルをしっかり構築し、
他者と接する部分で「コミュニケーション」スキルを育てていくイメージです。

以下で、それぞれについて、もう少し詳しく解説します。

問題解決

仕事での課題に対して答えを出していくスキルです。
現状とあるべき姿のギャップを埋めて付加価値を出す、仕事の根本的なスキルになります。

  • 問題解決の基本は、考える力=思考力です。ロジカルシンキングが代表的です。
  • その際は思考の型となるフレームワークを用いることで再現性の高い問題解決が可能です。
  • 当然すべてを一から思考するだけでなく、各分野のビジネス知識も大切です。
  • 直接的な関係のない教養も原理原則から考え、答えに幅を持たせるためには有効です。

これらの力を育て、課題に対して答えを求め、付加価値を出していくことができます。

タスク管理

課題に対して適切な答えを出すことができたとしても、
ムダに時間がかかり過ぎる、適切なタイミングで出せない、優先順位がバラバラ、
など、うまく実行できないと、せっかくの問題解決スキルが生かせません。

仕事で成果を出すには、どの仕事をいつ行うのか、というタスク管理スキルが欠かせません。

  • タスクを計画・実行・改善していくPDCAGTDなどの仕組み
  • 複数のタスクからなる仕事を管理するプロジェクトマネジメント
  • 毎日など定期的なタスクを定着させていく習慣化のスキル
  • 効率的にものごとに対処していくための時間術・スケジュール管理

これらの力を育てることで、課題に適切なタイミングで効率よく対処することができます。

コミュニケーション

「問題解決」スキルと「タスク管理」スキルで、
課題に対して付加価値を出して、個人として実行していくベースはできますが、
最終的に、仕事というのは他者を相手にして成果を出すことがほとんどです。

他者を相手に、自分の言いたいことを正しく伝えられない、関係者の協力を得られない、
となると、せっかくの仕事の成果が半減、場合によってはまったく出せないことになります。

そのため関係者と仕事をこなす、コミュニケーションスキルが必要になります。

  • 仕事の成果を正しく効果的に伝えるプレゼンテーション力
  • 相手との話し合いから成果を得るための交渉力
  • 相手の考えていることや心の動きを理解するための心理学
  • 組織としての成果を出すための組織マネジメント

この他にもコミュニケーションスキルには様々なものがありますが、
このスキルにより、他者を相手に仕事で成果を出すことができます。

前提としての価値観と健康の重要性を認識する

これまで仕事の構造を理解し、ビジネススキルを育てることを書いてきました。

ただ、これらを機能させるためは、土台となる自分自身を見つめ直すことが大切です。

いくらスキルがあっても、自分自身の心と身体に、その仕事を行う準備がないと、
成果を出すことは難しくなってきます。

・自分自身が目指すべき価値観にしたがって生きる
・仕事で成果を出すため心と身体を健康な状態に保つ

これらの重要性を認識し、心と身体を整えていくようにしましょう。

価値観

自分の仕事やビジネススキルが自分の価値観に合っているかは、大きな問題です。

例えば、あなたは「家族との時間を第一優先」だと思っている営業マンだとします。

それに対して現状は以下のような状態だとします。
・事前の情報収集や準備を、残業をして夜遅くまで行い、
・ビジネススクールに通い営業の専門知識やプレゼンテーション能力を向上、
・営業のためにお客さんのところへ何回も訪問し、多くの受注を獲得、
・販売後も何かあれば、休日も関係なくいつでもお客さんの元へサポートに行く。
→結果として、お客さんからの評判もよく、その姿勢を評価され社内でも出世する。

周りから見れば、仕事の成果は十分に出ている状態ですが、
本人にとって、この状態を続けることは幸せなのでしょうか。

上の例では、自分の「家族との時間を第一優先」という価値観に従うのであれば、
高めるべきは、営業の専門知識やプレゼンテーション能力よりも
・いかに短時間で受注を獲得するかを考える思考力
・お客さんへの訪問回数を最小限にする、タスクの優先度付け
・販売後はサポートが不要になるような事例の研究
などになってくると思われます。

自分の価値観と仕事/ビジネススキルのすり合わせはとても大切です。

周りの評価や思い込みに左右されることなく、自分の価値観と向き合い、
自分の仕事やビジネススキルを再構成するようにしないと、
どこかで無理が生じてきたり、幸福度が下がる結果になりかねません。

心身の健康

自分の普段のコンディションを整えておくことも、とても大切です。

心の健康という意味では、
常に前向きに、好奇心をもって、タスクに挑む際は集中力を保つ。
そのための、ストレス解消・メンタルトレーニング・日々の振り返り、など。

身体の健康については、
言うまでもなく、病気などをしないで、ベストな体調を維持する。
そのためには、食事習慣の改善・適度な運動や筋トレ・定期的な健診、など。

また心と身体は密接に結びついていることにも注意が必要です。
バランスよく、心と身体の両方の状態を整えることで、効果が出てきます。

現代では常識ではありますが、いわゆる表面的なビジネススキルだけ向上させ、
心と身体をおろそかにすることがないように気を付けましょう。

メンテナンス・サポート体制を整える

最後になりますが、ビジネススキルは日々のメンテナンスや環境整備をすることで、
より効果を発揮することになります。

逆に放置しておくと、スキルが錆び付くことはもちろんのこと、
時代の変化についていけなくなる、というリスクもあるので、
維持・向上のための仕組みは不可欠です。

基礎力

まずはビジネスの基礎体力ともいうべき力を持っておくことが重要です。

集中力や発想力など、基本となる部分を常に磨いておくことは重要です。

勉強法

ビジネススキルを身につけるための方法も重要です。

昔からの人材育成の区分でいうと、以下のようなものがあります。

  • OJT (On the Job Training):実際の仕事を通してスキルを身につける
  • Off-JT:会社が主催する研修などでスキルを身につける
  • 自己啓発:会社とは関係なく、自主的に身につける

このブログは、もちろん会社に頼らない自己啓発にフォーカスすることになりますが、
自己啓発の勉強法についても様々あります。

情報を得るためには、書籍・スクール・インターネットなど様々な媒体がありますし、
2019年頃からはYouTubeで学ぶことが急速に伸びてきています。

また獲得したスキルを定着させる方法も重要で、
もちろん実際の仕事で使っていくことが、普通に考えられることではありますが、
他にも、勉強会で共有、ブログやYouTubeなどでアウトプットするなど、
こちらについても様々な方法があります。

ツール

ビジネススキルそれ自体は、自分自身に身につけることではありますが、
様々なツールにより、実行のサポートや効果を強力にすることができます。

伝統的なビジネスツールとしての、文房具や手帳なども大幅に進化していますが、
現在は、もちろん各種のITツールの力なしに語ることはできません。

  • PCやタブレット、スマートフォン
  • スマートウォッチやワイヤレスイヤホンなどの周辺機器
  • それぞれの行動に最適化されたアプリ

これらのITツールを有効に使いこなすことは、いまや必須となっており、
使いこなしている人とそうでない人では、目に見えて成果に差が出てしまいます。

まとめ

  1. 仕事の構造を理解する(Input→Process→Output)
  2. ビジネススキルの3要素を育てる(問題解決・タスク管理・コミュニケーション)
  3. 前提としての価値観とコンディションの重要性を認識する
  4. ビジネススキルを向上させる環境整備をする(基礎力・勉強法・ツール)

やや長くなってしまいましたが、以上が私が考えるビジネススキルの全体像です。

このブログのコンセプトをはっきりさせるために、まずはこのページを作成しました。

このブログでは、ビジネススキルについての記事を書いていきますが、
基本的には、すべてこの構造の中に入ってくるものです。

カテゴリーに分けて記事を作成していきますので、
全体の中の位置がわかりづらくなった際には、
このページに立ち返って参照していただければと思います。

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