【初心者必見】人を動かすコミュニケーションの基本

コミュニケーション
  • 自分の気持ちを相手に伝えることが苦手
  • 相手の言っていることや気持ちがなかなか理解できない
  • ビジネスの場面で、相手への説得やお願いがうまくできない

このようにコミュニケーションを苦手とする人は多いと思います。

特に初対面の人や仕事関係の人を相手にすると、うまくコミュニケーションをとって人間関係を築くのが難しいですよね。

この記事では、コミュニケーションの基本を押さえることによって、どのような心構えでコミュニケーションをしていくべきなのか、どうすれば相手は動いてくれるのかということを示します。

記事を書くに当たっては以下の本を参考にしました。


コミュニケーションについての古典的名著といっても良い本で知っている方も多いと思います。

「人を動かす」というタイトルになっていますが、相手との関係構築が主な内容であり、それを様々なエピソードを交えて書かれている本です。

古い本なので、エピソードが古いのは否めませんが、長年読み続けられている本だけあって、何かしら気付きになることもある本だと思います。

コミュニケーションのゴールは「自分と相手が同じものを見る」

コミュニケーションについては、世の中に出ている書籍や記事などで色々なことが書かれています。

私はコミュニケーションの本質的なゴールを考えるは以下の通りだと考えています。

自分と相手が同じものを見る

ここでいう「同じもの」というのは表面的な物体や事柄だけをいうのではなく、そのものの捉え方やお互いの考えなどまで含めて「見えている」ということになります。

コミュニケーションがうまくいっていない場合、
同じことを話しているようで、異なる側面を見ながら話していた。
表面的に見えているものは同じでも、それをどう捉えているかがまったく違っていた。
ということが往々にして起こっています。

それでは、どうすれば「自分と相手が同じものを見る」ことができるのでしょうか?

まずは相手を理解することから

コミュニケーションをとる場合、人間というのはどうしても自分の言いたいことを伝えたい、つまり「自分が見ているものを相手にも見てほしい」と思ってしまいます

お互いがそう思ってコミュニケーションを続けると、お互いが自分のことを話し続けて、結局は同じものをみることができません。

そこで次のステップで行うことが大切です。

1.まずは相手を尊重し、相手が何を見ているのかを理解する
2.相手が自分を受け入れる準備ができる
3.自分の見ているものを相手に伝わるように伝える

このようにまずは相手を尊重し、相手を理解することが大切です。これには2つの理由があり、

1つは、相手が自分を受け入れる準備ができるということがあります。

心理学には返報性の法則というものがありますが、相手から受けた好意などに対し、お返しをしたいという心理が働きます。

相手が、自分が尊重されており自分のことを理解してくれていると思うと、自分も相手のことを尊重して理解しないといけない、という心理になり、相手を受け入れる体制ができてきます。

もう1つは、相手のことを理解することで、自分を理解してもらう方法がわかるということです。

相手がどのようなことに興味・関心を持っているか、相手の欲求は何なのか、ということを理解することで、それらに合わせて自分の主張を説明することで、相手も聞きやすくなるということになります。

まったく自分と関係ない相手の主張を話されるのではなく、自分にも関係あることという感覚を持つことにより、相手の主張が受け入れやすくなるということです。

冒頭に出した「人を動かす」という本の中では、一貫したテーマとして「まずは相手を尊重する」ということが書かれています。人間が持つ特性と、それに対する具体的な行動を理解することで、コミュニケーションがうまくいく方法がわかると思います。

相手を尊重するとは、人間の特性を理解しそれに合わせること

相手を尊重するということを考える場合、人間の特性を理解しておく必要があります。

「人を動かす」という本は、「人を動かす3原則」「人に好かれる6原則」「人を説得する12原則」「人を変える9原則」という章立てになっていますが、一貫して、相手を尊重するためにとるべき行動について述べられていると言え、それらをまとめると人間には以下のような特性があると考えられます。

・人は自分のことを正しいと思っている。理解してほしい。
・自分が重要な存在であると認めてもらいたい
・行動を起こすのであれば、自分の欲求を満たしたい
・人に上から言われたり、押し付けられるのは嫌

これらの特性に合わせて相手に働きかけることにより、相手を尊重してコミュニケーションのスタートラインに立つことができるといえます。

上記の特性に合わせると聞いて、「相手のわがままに付き合っていられない」「相手にこびへつらっているようで嫌だ」と思う人もいるかもしれません。

しかし、あくまでゴールはお互いが相手を理解すること、つまり自分のことも理解してもらうことであり、相手を理解せずに自分の主張だけを通そうとすることは、自分も同じように上記の特性に従っているだけということです。

お互いにWin-Winの関係を築くためにも、まずは出来ることから相手を尊重するようにしてみましょう。

以下、それぞれの特性に合わせた具体的な行動を、本の中からピックアップしていきます。

(「」で示したものは、本の中で示されている原則を指しています。)

特性1:人は自分のことを正しいと思っている。自分を理解してほしい。

本の中では冒頭から、どんな凶悪犯であれ、自分のことを悪人だと思っているものはいない、と書いてあります。自分の行為を正しいと信じており、自分の犯した犯罪ももっともらしい理屈をつけて正当化するそうです。

犯罪者ですらそうなのですから、そうではない一般の人ならなおさら自分を正しいと思っているはずです。

それを自分が正しくないように扱われると、自分が理解されていないと感じ、うまくコミュニケーションがとれません。

まず相手と接しているときは、どんなに自分が正しく相手が間違っていると思ったとしても、「批判も非難もしない。苦情も言わない」「誤りを指摘しない」ということに気を付けましょう。

そう気を付けるためには、まずは「人の身になる」ことで、相手の考え・行動には、相当の理由があると考えます。

そうした理由を理解するためには、相手に「誠実な関心を寄せる」ことが大切です。相手に関心を持つことで、深く相手の考え方を理解することができるようになります。

理解をしたら相手に「同情を寄せる」ことで、相手の考えや希望を理解していることを示すようにしましょう。

特性2:自分が重要な存在であると認めてもらいたい

本の中では「重要感を持たせる」と書いてありますが、相手に誠実で率直な評価を与えることで、自分は相手を重要な存在と思っていると感じてもらうことが大切です。

まずはコミュニケーションをとる上で、色々なところで言われていることではありますが、「相手にしゃべらせる」ということが重要です。自らはまずは「聞き手にまわる」ことで、相手自身が重要な存在であることを態度で示すことが大切です。

それから「まずほめる」ということも、ダイレクトに相手を評価していることを伝えるには大切です。その際には上辺だけでなく誠意を込めて「心からほめる」ということが必要ですし、「わずかなことでもほめる」ことも有効なので、常に相手のほめるべき点を探すように心がけましょう

また相手を尊重するためには、単純ですが「名前を覚える」のも大切な要素です。名前というのは、当人にとっては最も快い最も大切な響きをもつ言葉なため、それを大切に扱うことで本人を重要と扱っていると捉えてもらえることになります。

また相手に動いてもらうためには、相手に「期待をかける」ようにして相手を重要と考えていることを示すことで、相手はそれに応えるために動いてくれます。その際には「激励する」ことで、自分の能力に自信を持たせるようにするとともに、同様のことを行ってる他の人のことを話し「対抗意識を刺激する」ことで、さらに動きを促進することもできます。

特性3:行動を起こすのであれば、自分の欲求を満たしたい

このようにして自分を理解し相手に重要に思われていると感じると相手にもお返しをしたいと思うようになります。

とはいえ、もちろん自分に利益がない行動をとるよりは、自分にも利益がある方が、行動意欲が出るので、そこを刺激してあげることも大切です。

まずは相手の欲求がどこにあるのかを理解するために「人の立場に身を置く」ことが大切です。そこで「関心のありかを見抜く」ようにして、それを話題にすることで相手への理解を深めていきましょう。

相手に行動を起こしてもらう場合も、こちらから押し付けられるよりは、自らがやりたいと思うことが大切で、相手の関心に寄り添いながら行動自体を「相手に思いつかせる」ように促すことや、あくまで相手が正しい人間だと尊重しながら「美しい心情に呼びかける」こと、また行動自体が相手の利益になるように話して、「喜んで協力させる」ようにしていきましょう。

また行動を起こしてもらう際のテクニックとして、相手の関心を理解した上で、まずは「「イエス」と答えられる問題を選ぶ」こともうまい方法です。最初に小さな「イエス」を積み重ねることで、こちらの要望である大きな「イエス」を引き出すことができます。

(心理学的にはフットインザドアと言ったりします。)

特性4:人に上から言われたり、押し付けられるのは嫌

こうして相手に行動を起こしてもらう下地はできたわけですが、あくまで自らの意思で行動してもらうことが大切で、こちらから押し付けるような形にならないように注意します。

話す際には「笑顔を忘れない」「穏やかに話す」雰囲気を作るようにします。まずは「自分の過ちを話す」ことで自分を下げて、上から目線にならないことも大切です。

また自分の主張が直接的に相手とぶつからないように「議論を避ける」、こちらから「命令をしない」で、何かを言う際には「遠回しに注意を与える」ようにします。

また自分が間違っている場合には、直ちに快く「誤りを認める」、仮に相手に間違いがある場合にも「顔をつぶさない」ようにします。

また押し付けにならず、自然に相手が動きやすいような「演出を考える」ということも有効です。

まとめ

コミュニケーションのゴールは自分と相手が同じものを見ることです。

相手に自分の考えを伝え動いてもらいたい場合でも、まずは相手を尊重することです。

相手を尊重するには、人間の特性に合わせ、上記のようなポイントに気を付けるようにしましょう。

最も大切なことは実践することですので、ポイントのうちいくつかを次のコミュニケーションから使ってみて下さい。

具体的にエピソードも含めて理解したい場合には、ぜひ何年も読み継がれている名著である以下の本を読んでみて下さい。


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